当寺は臨済宗妙心寺派で、天嵐山醍醐寺と称します。
そもそも檀家が無く、住職不在の期間が長く、境内は草木が生い茂り、山門は開かず、建物は傷むに任せた荒れ果てた状態でした。
平成三十年十一月、縁あって拙僧が当山に赴任することとなり、お寺の再興に取り掛かりました。
本堂庫裡の修繕と敷地内の整備にくわえて、新たに「茶室、座禅堂、庭」の三つを設計建築しました。
茶室は2畳台目の草庵で本格茶道からちょっとした茶話室として使用できるとともに、写経道場としての役割ももっております。この茶室からは、大阪城、梅田スカイビル、あべのハルカスと近未来的な大阪平野を一望できます。
座禅堂は茅葺き竪穴式で、古墳の街大阪にちなんだものです。その堂内は茅と竹でしつらえてあり、古代に思いを馳せる趣きを持っています。
庭は小さいながらも枯山水と蓮池の庭で、そこに川のせせらぎが聞こえる清らかな景観となっています。
この不安多き時代にあって、心を落ち着かせられる場所として醍醐寺を再興しました。どうぞ皆様の御来山をお待ちしております。
醍醐寺住職 吉本大玄